防災グッズ関連コラム

帰宅困難者対策として企業が備える非常用トイレの必要数量と運用を解説するイメージ

帰宅困難者対策に必要な非常用トイレ|企業が備えるべき数量と運用

大きな地震で鉄道が止まると、従業員はすぐには帰宅できません。むやみに移動すると混雑や事故を招くため、国や自治体は「一斉帰宅の抑制」と「事業所内での待機」を呼びかけています。つまり、多くの人が数時間から数日にわたって、社内にとどまることになります。 このとき見落とされやすいのがトイレです。飲料水や食料は備えていても、トイレの数量と運用まで決めている企業は多くありません。断水や排水設備の被害でトイレが使えなくなれば、待機そのものが続けられなくなります。 この記事では、帰宅困難者対策としての非常用トイレについて、制度の考え方 → 対象人数 → 必要数量 → 発災0〜72時間の運用までを、公的機関の情報とIPIC SONAEの実務的な提案を分けて整理します。担当者が「自社では何を、いくつ備え、誰がどう動かすか」を判断できる形にまとめました。 この記事の結論 「備蓄済み」だけでは足りない。必要数量の算定と発災後の運用設計の両輪で考える 対象人数は正社員数ではない。派遣・パート・常駐協力会社・発災時の来訪者まで検討し、二重計上はしない 「3日分」は全国一律の法的義務ではない。東京都は都内事業者に3日分の備蓄を努力義務として求めている 断水していなくても、排水管・下水道の安全が確認できるまで水洗トイレを流さない判断が必要 使用済み袋の一時保管場所・搬送動線・臭気対策まで含めて設計する 72時間経過=一斉帰宅ではない。交通・地域安全の情報を確認し、段階的に判断する なぜ帰宅困難者対策に非常用トイレが必要なのか 結論から言えば、大規模災害では従業員が長時間社内にとどまる一方で、トイレが同時に使えなくなる可能性が高いためです。まず、この前提を公的機関の情報で確認します。 公的機関の考え方 内閣府(防災担当)の「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」は、発災直後に多くの人が一斉に帰宅すると救助活動や道路が混乱するため、企業に対し従業員を施設内にとどめる「一斉帰宅の抑制」と、そのための備蓄(3日分の必要な物資が目安)を求めています。東京都も、都民に「むやみに移動しない」よう呼びかけています。 問題は、待機が長引くほどトイレの需要が積み上がることです。首都直下地震の被害想定では、深刻なインフラ被害が示されています。 公的機関の考え方 内閣府が2025年12月に公表した新たな首都直下地震の被害想定では、都心南部直下地震の被災直後に、上水道は約3割、下水道は約5%の地域で利用支障が生じ、最大約5割の建物で停電するおそれがあるとされています。断水していない場所でも、建物の排水設備や下水道側が被害を受けていれば、水洗トイレを安全に使えるとは限りません。 こうした状況では、家庭やオフィスの平常時とは異なる論点が出てきます。帰宅困難者対策で特に押さえたい理由を、4つに整理しました。 1 多人数が同時に、長時間とどまる 数時間で解消せず、数日に及ぶこともあります。人数と日数が増えるほど、トイレの必要回数は積み上がります。 2 水・食料より備えが遅れやすい...

帰宅困難者対策に必要な非常用トイレ|企業が備えるべき数量と運用

大きな地震で鉄道が止まると、従業員はすぐには帰宅できません。むやみに移動すると混雑や事故を招くため、国や自治体は「一斉帰宅の抑制」と「事業所内での待機」を呼びかけています。つまり、多くの人が数時間から数日にわたって、社内にとどまることになります。 このとき見落とされやすいのがトイレです。飲料水や食料は備えていても、トイレの数量と運用まで決めている企業は多くありません。断水や排水設備の被害でトイレが使えなくなれば、待機そのものが続けられなくなります。 この記事では、帰宅困難者対策としての非常用トイレについて、制度の考え方 → 対象人数 → 必要数量 → 発災0〜72時間の運用までを、公的機関の情報とIPIC SONAEの実務的な提案を分けて整理します。担当者が「自社では何を、いくつ備え、誰がどう動かすか」を判断できる形にまとめました。 この記事の結論 「備蓄済み」だけでは足りない。必要数量の算定と発災後の運用設計の両輪で考える 対象人数は正社員数ではない。派遣・パート・常駐協力会社・発災時の来訪者まで検討し、二重計上はしない 「3日分」は全国一律の法的義務ではない。東京都は都内事業者に3日分の備蓄を努力義務として求めている 断水していなくても、排水管・下水道の安全が確認できるまで水洗トイレを流さない判断が必要 使用済み袋の一時保管場所・搬送動線・臭気対策まで含めて設計する 72時間経過=一斉帰宅ではない。交通・地域安全の情報を確認し、段階的に判断する なぜ帰宅困難者対策に非常用トイレが必要なのか 結論から言えば、大規模災害では従業員が長時間社内にとどまる一方で、トイレが同時に使えなくなる可能性が高いためです。まず、この前提を公的機関の情報で確認します。 公的機関の考え方 内閣府(防災担当)の「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」は、発災直後に多くの人が一斉に帰宅すると救助活動や道路が混乱するため、企業に対し従業員を施設内にとどめる「一斉帰宅の抑制」と、そのための備蓄(3日分の必要な物資が目安)を求めています。東京都も、都民に「むやみに移動しない」よう呼びかけています。 問題は、待機が長引くほどトイレの需要が積み上がることです。首都直下地震の被害想定では、深刻なインフラ被害が示されています。 公的機関の考え方 内閣府が2025年12月に公表した新たな首都直下地震の被害想定では、都心南部直下地震の被災直後に、上水道は約3割、下水道は約5%の地域で利用支障が生じ、最大約5割の建物で停電するおそれがあるとされています。断水していない場所でも、建物の排水設備や下水道側が被害を受けていれば、水洗トイレを安全に使えるとは限りません。 こうした状況では、家庭やオフィスの平常時とは異なる論点が出てきます。帰宅困難者対策で特に押さえたい理由を、4つに整理しました。 1 多人数が同時に、長時間とどまる 数時間で解消せず、数日に及ぶこともあります。人数と日数が増えるほど、トイレの必要回数は積み上がります。 2 水・食料より備えが遅れやすい...

ホテル・宿泊施設で必要な非常用トイレ対策と宿泊客・従業員向け防災備蓄を紹介する画像

ホテル・宿泊施設で必要な非常用トイレ対策|宿泊客・従業員を守る防災備蓄

ホテルや旅館では、宿泊客の人数が日によって大きく変わります。満室の夜もあれば、閑散期の静かな平日もあります。そして災害は、時間を選びません。多くの宿泊客が眠る深夜や、スタッフが手薄な早朝に大きな地震が起きることも、十分に考えられます。 断水や排水設備の損傷が起きれば、多数の客室トイレが同時に使えなくなるおそれがあります。館内にいるのは宿泊客だけではありません。フロントや夜勤のスタッフも施設内に残ります。だからこそ宿泊施設には、一般的な企業とは異なる備蓄設計と運用ルールが必要です。 この記事では、公的機関の情報とIPIC SONAEの実務的な提案を分けて整理し、ホテルのご担当者が「自施設では何を決め、何を備えればよいか」を判断できる形にまとめました。 この記事の結論 備蓄の対象は宿泊客だけではない。館内に滞在する従業員も含める 人数は繁忙期・最大収容人数・従業員数を踏まえ、施設ごとに想定する 保管は一極集中に頼らず、防災倉庫+各フロアの分散配置も検討する 夜間の運用手順と、多言語・ピクトグラムの案内を平常時に決めておく 使用済み袋の回収・一時保管・処分まで含めて設計する ホテル・宿泊施設で非常用トイレ対策が必要な理由 ホテルで非常用トイレが必要になる理由は、一般的な防災論だけでは説明しきれません。家庭やオフィスと違い、ホテルには「同じ設備につながった多数のトイレ」と「施設に不慣れな多数の人」が同時に存在するからです。ホテル特有の課題を、4つに整理しました。 1 多数の客室トイレが同時に使えなくなる 多くの客室が同じ給排水系統につながっているため、断水や排水設備の損傷で一斉に止まるおそれがあります。 2 宿泊客が施設の防災ルールを知らない 使用停止の判断や館内の手順を知らず、そのまま流してトラブルが広がることがあります。 3 深夜・早朝は対応スタッフが限られる 少人数の夜勤帯に発災すると、初動対応や宿泊客への案内を担う人手が足りなくなります。 4 宿泊客も従業員も帰宅できない 交通機関が止まれば、宿泊客はチェックアウトしても移動できず、従業員も帰宅できず滞在が続きます。 「水が出る=トイレを流してよい」ではありません給水(上水)が復旧しても、排水管や下水道が損傷していれば、流した水や汚물が逆流・あふれ出すおそれがあります。建物や配管の安全が確認できるまでは、水洗トイレの使用を控える判断が必要です。地震直後の初動は地震でトイレが使えないときの対処法、集合住宅の考え方はマンションの断水時トイレ対策で解説しています。 地震や断水そのものの基礎知識は既存記事で詳しく扱っています。この章ではホテル特有の論点にしぼり、深掘りは非常用トイレ完全ガイドに譲ります。 ホテルでは誰の分を備蓄する?対象人数の考え方 ホテルの備蓄でつまずきやすいのが「誰の分を数えるか」です。宿泊客だけを数えると、必要数を大きく見誤ります。災害時に館内へ滞在する可能性がある人を、幅広く想定しましょう。 宿泊客 客室定員をもとに想定満室時のピークも考慮...

ホテル・宿泊施設で必要な非常用トイレ対策|宿泊客・従業員を守る防災備蓄

ホテルや旅館では、宿泊客の人数が日によって大きく変わります。満室の夜もあれば、閑散期の静かな平日もあります。そして災害は、時間を選びません。多くの宿泊客が眠る深夜や、スタッフが手薄な早朝に大きな地震が起きることも、十分に考えられます。 断水や排水設備の損傷が起きれば、多数の客室トイレが同時に使えなくなるおそれがあります。館内にいるのは宿泊客だけではありません。フロントや夜勤のスタッフも施設内に残ります。だからこそ宿泊施設には、一般的な企業とは異なる備蓄設計と運用ルールが必要です。 この記事では、公的機関の情報とIPIC SONAEの実務的な提案を分けて整理し、ホテルのご担当者が「自施設では何を決め、何を備えればよいか」を判断できる形にまとめました。 この記事の結論 備蓄の対象は宿泊客だけではない。館内に滞在する従業員も含める 人数は繁忙期・最大収容人数・従業員数を踏まえ、施設ごとに想定する 保管は一極集中に頼らず、防災倉庫+各フロアの分散配置も検討する 夜間の運用手順と、多言語・ピクトグラムの案内を平常時に決めておく 使用済み袋の回収・一時保管・処分まで含めて設計する ホテル・宿泊施設で非常用トイレ対策が必要な理由 ホテルで非常用トイレが必要になる理由は、一般的な防災論だけでは説明しきれません。家庭やオフィスと違い、ホテルには「同じ設備につながった多数のトイレ」と「施設に不慣れな多数の人」が同時に存在するからです。ホテル特有の課題を、4つに整理しました。 1 多数の客室トイレが同時に使えなくなる 多くの客室が同じ給排水系統につながっているため、断水や排水設備の損傷で一斉に止まるおそれがあります。 2 宿泊客が施設の防災ルールを知らない 使用停止の判断や館内の手順を知らず、そのまま流してトラブルが広がることがあります。 3 深夜・早朝は対応スタッフが限られる 少人数の夜勤帯に発災すると、初動対応や宿泊客への案内を担う人手が足りなくなります。 4 宿泊客も従業員も帰宅できない 交通機関が止まれば、宿泊客はチェックアウトしても移動できず、従業員も帰宅できず滞在が続きます。 「水が出る=トイレを流してよい」ではありません給水(上水)が復旧しても、排水管や下水道が損傷していれば、流した水や汚물が逆流・あふれ出すおそれがあります。建物や配管の安全が確認できるまでは、水洗トイレの使用を控える判断が必要です。地震直後の初動は地震でトイレが使えないときの対処法、集合住宅の考え方はマンションの断水時トイレ対策で解説しています。 地震や断水そのものの基礎知識は既存記事で詳しく扱っています。この章ではホテル特有の論点にしぼり、深掘りは非常用トイレ完全ガイドに譲ります。 ホテルでは誰の分を備蓄する?対象人数の考え方 ホテルの備蓄でつまずきやすいのが「誰の分を数えるか」です。宿泊客だけを数えると、必要数を大きく見誤ります。災害時に館内へ滞在する可能性がある人を、幅広く想定しましょう。 宿泊客 客室定員をもとに想定満室時のピークも考慮...

企業の防災備蓄に必要な非常用トイレとは?BCP対策に適した「トイレのミカタ PREMIUM」の備蓄イメージ

企業の防災備蓄に非常用トイレは必要?BCP対策で準備すべき理由

大きな地震や停電で断水が起きると、オフィスの水洗トイレも突然使えなくなります。従業員が会社にとどまらざるを得ない状況では、「トイレが使えない」ことが、業務を止める最初の要因になりかねません。 この記事では、内閣府や東京都などの公的情報をもとに、企業がBCP(事業継続計画)として非常用トイレを備える理由と、人数別の備蓄目安、選び方を整理します。総務・防災のご担当者が、今日から検討に入れる形にまとめました。 企業の防災備蓄で非常用トイレが重要視される理由 結論から言えば、断水するとオフィスの水洗トイレが使えなくなり、代替手段がないまま業務が止まってしまうためです。飲料水や食料と並ぶ、優先度の高い備蓄品といえます。 災害では水道も下水も止まる 地震では、断水や停電に加え、下水管の損傷でトイレが流せなくなることがあります。ビルの受水槽やポンプは停電で動かなくなるため、高層階ほど影響を受けやすくなります。 従業員はすぐに帰宅できない可能性がある 東京都の首都直下地震等による被害想定では、都内で最大約453万人の帰宅困難者が発生するとされています。公共交通機関が止まれば、従業員は会社にとどまることになります。 トイレ問題は業務継続を直接妨げる トイレを我慢するために水分を控えると、体調不良につながることがあります。離席が増え、衛生環境も悪化し、結果として重要業務の継続が難しくなります。 公的な考え方東京都は帰宅困難者対策条例で、発災後おおむね3日間は従業員の一斉帰宅を抑制し、施設内で待機させるよう事業者に求めています。その待機を支えるための備蓄に、トイレ対策も含まれます。 BCP対策で非常用トイレが必要な理由 BCPの目的は「災害時も重要業務を止めない・早く復旧する」ことです。人が働き続けられる環境の確保はその土台であり、トイレはその中核に位置づけられます。 そもそもBCPとは BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)とは、災害や事故が起きても事業を継続・早期復旧するための計画です。人員・拠点・ライフラインの確保が主要な柱になります。 トイレが使えないことで生じるリスク オフィスのトイレが使えないと、次のような連鎖的なリスクが発生します。 業務停止:社員が働ける環境そのものが失われる 衛生環境の悪化:排泄物の滞留による悪臭や不衛生な状態 健康被害:水分・トイレの我慢による体調不良 離席・無断帰宅:環境悪化による人員の離脱 信頼の低下:従業員満足度や企業イメージへの影響 観点 備えることで得られる効果 衛生管理 排泄物を適切に処理し、衛生環境の悪化を防ぎやすくする 業務継続 社員が施設内で働き続けられる環境を保つ...

企業の防災備蓄に非常用トイレは必要?BCP対策で準備すべき理由

大きな地震や停電で断水が起きると、オフィスの水洗トイレも突然使えなくなります。従業員が会社にとどまらざるを得ない状況では、「トイレが使えない」ことが、業務を止める最初の要因になりかねません。 この記事では、内閣府や東京都などの公的情報をもとに、企業がBCP(事業継続計画)として非常用トイレを備える理由と、人数別の備蓄目安、選び方を整理します。総務・防災のご担当者が、今日から検討に入れる形にまとめました。 企業の防災備蓄で非常用トイレが重要視される理由 結論から言えば、断水するとオフィスの水洗トイレが使えなくなり、代替手段がないまま業務が止まってしまうためです。飲料水や食料と並ぶ、優先度の高い備蓄品といえます。 災害では水道も下水も止まる 地震では、断水や停電に加え、下水管の損傷でトイレが流せなくなることがあります。ビルの受水槽やポンプは停電で動かなくなるため、高層階ほど影響を受けやすくなります。 従業員はすぐに帰宅できない可能性がある 東京都の首都直下地震等による被害想定では、都内で最大約453万人の帰宅困難者が発生するとされています。公共交通機関が止まれば、従業員は会社にとどまることになります。 トイレ問題は業務継続を直接妨げる トイレを我慢するために水分を控えると、体調不良につながることがあります。離席が増え、衛生環境も悪化し、結果として重要業務の継続が難しくなります。 公的な考え方東京都は帰宅困難者対策条例で、発災後おおむね3日間は従業員の一斉帰宅を抑制し、施設内で待機させるよう事業者に求めています。その待機を支えるための備蓄に、トイレ対策も含まれます。 BCP対策で非常用トイレが必要な理由 BCPの目的は「災害時も重要業務を止めない・早く復旧する」ことです。人が働き続けられる環境の確保はその土台であり、トイレはその中核に位置づけられます。 そもそもBCPとは BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)とは、災害や事故が起きても事業を継続・早期復旧するための計画です。人員・拠点・ライフラインの確保が主要な柱になります。 トイレが使えないことで生じるリスク オフィスのトイレが使えないと、次のような連鎖的なリスクが発生します。 業務停止:社員が働ける環境そのものが失われる 衛生環境の悪化:排泄物の滞留による悪臭や不衛生な状態 健康被害:水分・トイレの我慢による体調不良 離席・無断帰宅:環境悪化による人員の離脱 信頼の低下:従業員満足度や企業イメージへの影響 観点 備えることで得られる効果 衛生管理 排泄物を適切に処理し、衛生環境の悪化を防ぎやすくする 業務継続 社員が施設内で働き続けられる環境を保つ...

法人向け非常用トイレの備蓄目安。人数別・日数別の必要回数と「トイレのミカタ PREMIUM」のイメージ

法人は非常用トイレを何回分備蓄すべき?人数別・日数別の目安を解説

大きな地震や豪雨で断水・停電・配管損傷が起きると、オフィスや工場の水洗トイレは突然使えなくなることがあります。さらに交通機関が止まれば、従業員が帰宅できず、社内で数日間待機する状況も想定しなければなりません。 法人の非常用トイレは、単に箱数を決めるのではなく、「対象人数 × 1日あたりの使用回数 × 備蓄日数」で必要量を算出することが基本です。この記事では、10人から300人までの早見表、業種・勤務形態による調整方法、保管と運用の注意点まで具体的に解説します。 結論:法人の備蓄数は「人数×1日5回×日数」で計算する 法人が用意する非常用トイレの回数は、次の計算式で求められます。 必要回数 = 備蓄対象人数 × 1日5回 × 備蓄日数 経済産業省は、成人の平均的な排泄回数を1日5回とし、災害時用トイレを1人あたり35回分、つまり7日分備蓄する目安を示しています。企業では、まず3日分を最低ラインとして確保し、事業所の立地や復旧リスクに応じて7日分へ拡充する考え方が現実的です。 たとえば従業員50人を対象にする場合、3日分なら750回、7日分なら1,750回です。100人なら3日分で1,500回、7日分で3,500回となります。 「出勤者数」だけで計算しないことが重要です。災害発生時に社内へ滞在する可能性がある役員、派遣社員、パート・アルバイト、警備員、清掃員、来客なども対象人数に含めて検討します。 家庭を含む基本的な備蓄数の考え方は、非常用トイレは何回分必要かでも解説しています。 企業が非常用トイレを備えるべき理由 企業の防災備蓄では、水や食料が先に検討されがちですが、滞在者がいる限りトイレは必ず必要になります。トイレを確保できない状態は、衛生面だけでなく、従業員の安全や業務継続にも影響します。 断水していなくても水洗トイレを使えない場合がある 地震後に水道が出ていても、建物内の排水管や敷地内の下水設備が損傷している可能性があります。安全確認をせずに水を流すと、下階で汚水漏れが発生するおそれがあるため、管理会社や設備担当者による確認が取れるまで使用を止める判断が必要です。 高層ビルでは、停電によって給水ポンプが停止し、上層階だけ水が使えなくなることもあります。災害時は「水が出るか」だけでなく、安全に排水できるかまで確認しなければなりません。詳しい初動は、地震でトイレが使えないときの対処法をご確認ください。 帰宅困難者が社内に滞在する可能性がある 大規模地震で鉄道や道路が止まると、従業員を無理に帰宅させることは、道路混雑や二次災害のリスクを高めます。東京都の帰宅困難者対策では、一斉帰宅の抑制と、事業所における3日分の備蓄が重要な取り組みとして示されています。 水と食料を確保しても、トイレがなければ長時間の待機は困難です。非常用トイレは、従業員が安全な場所にとどまるための基礎的な備蓄品といえます。 排泄を我慢すると健康面の負担につながる トイレを使いにくい環境では、水分摂取や食事を控えてしまう人がいます。特に高齢者、持病のある人、妊娠中の人などには大きな負担となる可能性があります。また、汚物処理が不十分な状態では、悪臭や害虫が発生し、職場環境の悪化にもつながります。 トイレを我慢することによるリスクは、災害時にトイレを我慢する危険性で詳しく解説しています。...

法人は非常用トイレを何回分備蓄すべき?人数別・日数別の目安を解説

大きな地震や豪雨で断水・停電・配管損傷が起きると、オフィスや工場の水洗トイレは突然使えなくなることがあります。さらに交通機関が止まれば、従業員が帰宅できず、社内で数日間待機する状況も想定しなければなりません。 法人の非常用トイレは、単に箱数を決めるのではなく、「対象人数 × 1日あたりの使用回数 × 備蓄日数」で必要量を算出することが基本です。この記事では、10人から300人までの早見表、業種・勤務形態による調整方法、保管と運用の注意点まで具体的に解説します。 結論:法人の備蓄数は「人数×1日5回×日数」で計算する 法人が用意する非常用トイレの回数は、次の計算式で求められます。 必要回数 = 備蓄対象人数 × 1日5回 × 備蓄日数 経済産業省は、成人の平均的な排泄回数を1日5回とし、災害時用トイレを1人あたり35回分、つまり7日分備蓄する目安を示しています。企業では、まず3日分を最低ラインとして確保し、事業所の立地や復旧リスクに応じて7日分へ拡充する考え方が現実的です。 たとえば従業員50人を対象にする場合、3日分なら750回、7日分なら1,750回です。100人なら3日分で1,500回、7日分で3,500回となります。 「出勤者数」だけで計算しないことが重要です。災害発生時に社内へ滞在する可能性がある役員、派遣社員、パート・アルバイト、警備員、清掃員、来客なども対象人数に含めて検討します。 家庭を含む基本的な備蓄数の考え方は、非常用トイレは何回分必要かでも解説しています。 企業が非常用トイレを備えるべき理由 企業の防災備蓄では、水や食料が先に検討されがちですが、滞在者がいる限りトイレは必ず必要になります。トイレを確保できない状態は、衛生面だけでなく、従業員の安全や業務継続にも影響します。 断水していなくても水洗トイレを使えない場合がある 地震後に水道が出ていても、建物内の排水管や敷地内の下水設備が損傷している可能性があります。安全確認をせずに水を流すと、下階で汚水漏れが発生するおそれがあるため、管理会社や設備担当者による確認が取れるまで使用を止める判断が必要です。 高層ビルでは、停電によって給水ポンプが停止し、上層階だけ水が使えなくなることもあります。災害時は「水が出るか」だけでなく、安全に排水できるかまで確認しなければなりません。詳しい初動は、地震でトイレが使えないときの対処法をご確認ください。 帰宅困難者が社内に滞在する可能性がある 大規模地震で鉄道や道路が止まると、従業員を無理に帰宅させることは、道路混雑や二次災害のリスクを高めます。東京都の帰宅困難者対策では、一斉帰宅の抑制と、事業所における3日分の備蓄が重要な取り組みとして示されています。 水と食料を確保しても、トイレがなければ長時間の待機は困難です。非常用トイレは、従業員が安全な場所にとどまるための基礎的な備蓄品といえます。 排泄を我慢すると健康面の負担につながる トイレを使いにくい環境では、水分摂取や食事を控えてしまう人がいます。特に高齢者、持病のある人、妊娠中の人などには大きな負担となる可能性があります。また、汚物処理が不十分な状態では、悪臭や害虫が発生し、職場環境の悪化にもつながります。 トイレを我慢することによるリスクは、災害時にトイレを我慢する危険性で詳しく解説しています。...