ポータブルトイレと非常用トイレの違いとは?用途・特徴・災害時に選ぶべきトイレを解説

ポータブルトイレと非常用トイレの違いを比較したイメージ。介護用ポータブルトイレと災害・断水時に使用する非常用トイレ「トイレのミカタ」の用途や特徴を解説。

「ポータブルトイレ」「携帯トイレ」「簡易トイレ」「非常用トイレ」など、災害時のトイレには似た名称が使われています。ただし、名称だけで用途や性能を一律に分けることはできません。

この違いを知らないまま備えると、いざという時に「使えない」ということが起こりかねません。この記事では、両者の違いを比較表でわかりやすく整理し、災害の備えとして何を選べばよいかを、公的機関の情報をもとに解説します。

結論:名称ではなく「便座・処理方法・使用場所」で選ぶ

内閣府のガイドラインでは、災害用トイレを「携帯トイレ」「簡易トイレ」「仮設トイレ」などに分けています。その中で、ポータブルトイレは「簡易トイレ」の例として扱われています。

一方、「非常用トイレ」は市場で幅広く使われる呼び方です。商品を選ぶときは、既存便器を使うか、独立した便座が必要か、排泄物をどう処理するか、水・電気が必要か、本人が安全に使用できるかを確認してください。

ポイント
「ポータブルトイレ=介護用」「非常用トイレ=防災用」と完全に二分するのではなく、製品ごとの使用条件を確認します。

ポータブルトイレとは?

ポータブルトイレは、便座とし尿を受ける部分などを備え、室内へ設置して使用できるトイレです。介護・福祉用途で使われる製品が多く、手すり付きなど身体状況に配慮した製品もあります。

内閣府のガイドラインでは、ポータブルトイレ等を「簡易トイレ」の例として挙げ、福祉スペース等で使いやすく耐久性があるとしています。水なしで使えるもの、電気を必要とするものなど方式は製品によって異なります。

したがって「ポータブルトイレは必ず水で洗って使う」「災害には向かない」と一律には言えません。

携帯トイレ・簡易トイレ・「非常用トイレ」の違い

携帯トイレ

既存の洋式便器等へ便袋を設置し、吸水シートや凝固剤等を使って排泄物を安定化させ、使用後の便袋を保管・回収する方式です。内閣府は発災直後や在宅避難を想定した備蓄に適するとしています。

簡易トイレ

ポータブルトイレのような便座付きのものや、組立式便器へ便袋を取り付けるものなどがあります。水・電気の要否や処理方式は製品によって異なります。

非常用トイレ

一般の商品カテゴリー名として幅広く使われています。携帯トイレ型も簡易トイレ型も「非常用トイレ」と呼ばれる場合があるため、名称ではなく製品仕様を確認します。

IPIC SONAE「トイレのミカタ」は、既存便器へ排泄袋を設置し、凝固剤を使用する方式の製品です。

違いを比較|名称より「どう使うか」を見る

方式 主な特徴 確認したいこと
携帯トイレ 既存便器等に便袋を設置 便袋・凝固剤等の使用方法、必要回数、使用後の保管・回収
ポータブルトイレ等の簡易トイレ 便座・本体を室内等へ設置 身体状況への適合、水・電気の要否、し尿処理方式
組立式簡易トイレ 組立式便器へ便袋等を設置 便座の安定性、使用場所、便袋の処理方法
「非常用トイレ」として販売される商品 複数の方式が含まれ得る 商品名ではなく便座・袋・凝固剤・処理方式等を確認

内閣府は携帯トイレ・簡易トイレの双方を発災直後のトイレ確保に活用するモデルを示しています。どちらか一方が常に優れている関係ではありません。

ポータブルトイレを災害時に使う場合の確認ポイント

すでに使用している家庭では、災害時にも本人が慣れた姿勢で使える可能性があります。ただし排泄物の処理方式は製品によって異なります。

  • 断水時でも使用できるか
  • 電気が必要か
  • 便袋・凝固剤等を組み合わせられる仕様か
  • 使用済み便袋を安全に取り外せるか
  • 本人・介助者が災害時にも扱えるか

便袋+凝固剤を自己判断で組み合わせない
ポータブルトイレと携帯トイレ等を組み合わせる場合は、双方の製品の使用方法・適合を事前に確認してください。

介助が必要な家庭は「普段の排泄動作」から考える

介護をしている家庭では、本人が普段どのように排泄しているかを起点に考えます。

確認項目 災害時に考えること
移動 既存トイレまで移動できるか
立ち座り 手すり・便座高など普段の補助を維持できるか
介助 便袋の設置・交換・一時保管を介助者が行えるか
停電 電動機能を使う製品の場合、停電時の使用方法を確認
処理 排泄物を水で流せない場合の代替方法を確認

詳しくは高齢者向け非常用トイレ対策をご覧ください。

非常用トイレを選ぶポイント

備蓄用の非常用トイレを選ぶときは、次の点を確認しておくと失敗しにくくなります。詳しい選び方は非常用トイレの選び方にまとめています。

  • 凝固性能:吸水量・凝固性能と、確認できる試験条件を見る。
  • 消臭・防臭:消臭・防臭機能の表示、対象、確認できる試験情報を見る。
  • 保存期間:保存期間・期限の起点・保管条件を確認する。
  • 回数(セット内容):1日5回×人数×備蓄日数で必要回数を確認する。
  • 収納性:無理なく置ける場所に、コンパクトに収まるか。
  • 処理袋の有無:使用後の袋をまとめて保管できる処理袋が付くか。

必要な備蓄回数は「1日5回 × 家族の人数 × 日数」で計算できます。4人家族の1週間分なら140回分が目安です。回数の考え方は非常用トイレは何回分必要?で詳しく解説しています。

IPIC SONAE「トイレのミカタ」の位置づけ

IPIC SONAE「トイレのミカタ」は、既存の洋式便器へ排泄袋を設置し、凝固剤を使用する方式の非常用簡易トイレです。

  • 公式商品ページでは医師・防災士監修、消臭・抗菌機能付きとして案内
  • 凝固剤・排泄袋・処理袋をセット
  • 60回分・120回分を展開

ポータブルトイレとの併用可否は、ポータブルトイレ側の形状・使用方法も含めて事前に確認してください。

断水時の備えを見直したい方へ

必要回数・使用方法・セット内容を確認できます。

トイレのミカタを見る

よくある質問

Q. ポータブルトイレは災害時にも使えますか?

製品によります。内閣府はポータブルトイレ等を災害時の「簡易トイレ」の例として挙げています。水・電気の要否や排泄物の処理方式を確認してください。

Q. 携帯トイレと非常用トイレは同じですか?

「非常用トイレ」は幅広く使われる呼び方です。携帯トイレ型の商品も、便座付きの簡易トイレ型の商品も含まれる場合があります。

Q. ポータブルトイレに便袋と凝固剤を使えますか?

一律には言えません。双方の製品の使用方法・適合を確認してください。

Q. 災害時用トイレは何回分必要ですか?

経済産業省は成人の平均排泄回数を1日5回として案内しています。家庭の人数と備蓄日数から必要回数を計算してください。

まとめ

ポータブルトイレ、携帯トイレ、簡易トイレ、非常用トイレは、名称だけで用途や性能を完全に分けることはできません。内閣府はポータブルトイレ等を簡易トイレの一種として整理し、携帯トイレとともに災害時のトイレ確保に活用する考え方を示しています。

既存便器を使うのか、独立した便座が必要か、水・電気が必要か、排泄物をどう処理するか、本人が安全に使えるかを確認して選びましょう。

IPIC SONAEは「防災を、『じぶんゴト』に。」を掲げ、日々の備えに役立つ情報を発信しています。

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非常用トイレや組み立て式トイレなど、IPIC SONAEの災害時トイレ用品をまとめてご覧いただけます。

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AUTHOR / SUPERVISOR

執筆・監修|防災士 山根

アイピック株式会社所属。2024年に防災士資格を取得。IPIC SONAEで展開してきた製品の開発にチームの一員として携わり、商品開発で得た実務的な知見と防災士としての知識をもとに、防災情報を執筆・監修しています。

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参考情報

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