防災備蓄品リスト完全ガイド|家庭・企業で必要なものと備蓄量

家庭・企業向け防災備蓄品リストの完全ガイド。飲料水、非常食、防災リュック、ヘルメット、衛生用品など、必要な備蓄品と備蓄量を紹介

防災の備蓄を始めようとすると、最初に止まるのが「何を、何人分、何日分そろえるのか」という数量の問題です。リストを集めても、自分の家庭や職場に必要な数は書かれていません。

この記事では、農林水産省・経済産業省・内閣府が示す原単位をもとに、家庭と企業それぞれの必要量を自分で計算できる形に整理しました。公的機関が示している数字と、IPIC SONAE編集部としての目安は、ラベルで分けて示します。

この記事の結論|まず3日分、目標は7日分

備蓄でそろえるのは、飲料水/食料/トイレ/衛生用品/照明・情報・電源/個別の必需品の6領域です。この6つを、人数と想定日数に応じた数量で用意します。家庭は在宅避難を前提に、企業は従業員と来訪者、施設の条件を踏まえて数量を決めます。いずれも、避難時に持ち出す防災リュックとは別に管理します。

IPIC SONAE編集部の目安
大人1人・7日分の備蓄量

品目 7日分の数量 根拠と条件による増減
飲料水 21L 1日3L(飲料+調理)×7日。夏場・授乳中は1日+0.5〜1L。トイレや手洗いに使う生活用水はこれに含まない
食事 21食 1日3食×7日。停電でお湯を沸かせない想定で、そのまま食べられるものを1日1食以上
非常用トイレ 35回分 成人の平均排泄回数1日5回×7日。乳幼児・高齢者・体調により増減
トイレットペーパー 約1ロール(常備目標4ロール) 7日間の消費目安は約1ロール/人。4ロールは約1か月分を常備する目安で、7日間の消費量ではない
カセットボンベ 6本 1人1週間で約6本。加熱を1日1〜2回に絞るなら減らせる
携帯照明 1台/人 停電時は各自が別々に動く。これに加えて部屋ごとに1台

※上記のうち、水3L・食事3食・トイレ5回・ボンベ6本は参照資料に示された目安です。紙の約1ロール/週・約4ロール/月は経産省の案内に基づきます。照明の台数や加熱不要食の割合は編集部の提案です。

日数の考え方
農林水産省は、ライフライン復旧まで1週間以上を要した事例が多いこと、支援物資が3日以上届かないことを挙げ、1人当たり最低3日分から1週間分の家庭備蓄を望ましいとしています。まず3日分を確実に、そのうえで7日分を目標にするのが現実的です。

備蓄品と持ち出し品はどう違うのか

同じ防災用品でも、置く場所と役割が違えば必要な量も変わります。ここを混ぜると「水は何本必要か」という問いに答えが出なくなります。

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

持ち出し用品 自宅の備蓄 職場の備蓄
目的 避難の初動を支える 在宅避難で生活を続ける 施設内待機を支える
置く場所 すぐ持ち出せる場所 自宅内に分散 事業所内に分散
量の決め方 安全に運べる重さから逆算 家族の人数×日数 在館人数×日数
制約 重さと容量 保管スペース 保管スペースと配布動線
詳しくは 防災リュック完全ガイド 本記事 本記事(法人の調達・更新実務は別記事で詳述予定)

家庭備蓄の推奨量をそのまま防災リュックへ移す必要はありません。反対に、リュックに入りきらないからといって備蓄そのものを諦める必要もありません。家に残して生活を支えるものと避難時に手元へ持つものを分けて数えるのが出発点です。

何日分そろえるかを決める

家庭は「3日分を確実に、7日分を目標に」

公的情報農林水産省は、1人当たり最低3日分から1週間分の食品の家庭備蓄が望ましいとしています。ハザードマップを確認し、地域の状況に応じて2週間分など多めに備えることも挙げられています。首相官邸も飲料水・非常食3日分を示したうえで、大規模災害時には1週間分の備蓄が望ましいとしています。

IPIC SONAE編集部の目安まず3日分をすべての品目でそろえ、次に水・トイレ・食料を7日分へ延ばします。理由は、水とトイレは代替手段が最も乏しく、不足したときに我慢で先送りできないためです。3日分と7日分を一度に買いそろえる必要はありません。

企業は「自社の制度と対象者」から決める

公的情報首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整会議の「事業所における帰宅困難者等対策ガイドライン」(令和6年7月26日)は、発災後72時間を人命救助に重要な期間とし、備蓄量の目安を3日分としています。対象は首都直下地震で被災の可能性がある事業者で、雇用形態を問わず事業所内で勤務する全従業員が対象です。東京都では、東京都帰宅困難者対策条例により、従業者の一斉帰宅抑制と3日分の備蓄が事業者の努力義務とされています。

全国一律の法定義務ではありません
上記は首都直下地震を想定したガイドラインと、東京都の条例に基づく努力義務です。所在地の自治体によって条例・要綱の有無や内容が異なります。自社の所在地の制度を確認したうえで、備蓄日数と対象人数を決めてください。

家庭用の備蓄品リスト

品目ごとに「何のために備えるか」「数量をどう決めるか」「保管と更新で気をつけること」を整理します。

飲料水

  • 目的:飲用と調理。生命維持に直結し、代替が最も難しい
  • 数量の決め方:1人1日3L(飲料+調理)×人数×日数。体格の小さい子どもも、不足を避けるため一律3Lで計算することをおすすめします
  • 保管と更新:保存水の賞味期限は5〜10年程度のものがあります。水道水を容器に入れて備える場合、飲料水として使えるのは3日程度とされています

トイレを流す水、手洗い・清掃に使う生活用水は、飲料水とは別に考えます。浴槽の残し湯やポリタンクでの確保が中心になり、上記の3L/日には含まれません。

主食・主菜・副菜

  • 目的:エネルギーと栄養の確保。災害直後は炭水化物に偏りやすくなります
  • 数量の決め方:1人1日3食×人数×日数。米で備える場合の目安は1人1食75g程度。主食だけでなく、たんぱく質(肉・魚の缶詰、レトルト)と、ビタミン・ミネラル・食物繊維(日持ちする野菜、乾物、野菜ジュース)を組み合わせます
  • 保管と更新:ローリングストック(普段の食品を多めに買い、古いものから食べて買い足す)が基本。長期保存食は製造から5〜7年のものが中心です

熱源・調理

  • 目的:温かい食事と湯沸かし。電気・ガスが止まった状況で使えること
  • 数量の決め方:農林水産省の備蓄例には1人1週間あたり約6本という目安があります。ただし使用量は加熱する食数・時間・器具で変わるため、調理計画に合わせて調整します。鍋・やかんもあわせて確認します
  • 保管と更新:使用期限の目安はカセットボンベ約7年、カセットコンロ約10年。製品表示を優先し、高温になる場所を避けます。使用時は換気し、メーカー指定の使用場所・方法を守ってください

トイレ・衛生

  • 目的:断水や排水設備の損傷で水洗トイレが使えない期間の排泄と、感染症を防ぐ衛生環境の維持
  • 数量の決め方:成人の平均排泄回数1日5回×人数×日数。トイレットペーパーは1人1週間約1ロール、常備量は1か月分の約4ロールを目安にします
  • 保管と更新:凝固剤や便袋は製品ごとに保存期間が異なります。使用後の便袋を回収まで一時保管する場所も決めておきます
非常用トイレの必要回数 = 5回 × 人数 × 日数回数の詳しい考え方・人数別の早見表は非常用トイレ完全ガイドで確認できます

水が使えない状況では、体を清潔に保つ用品も必要になります。水のいらない洗浄用品、ウェットティッシュ、歯みがきシート、ごみ袋、使い捨て手袋などを、トイレとセットで考えておくと抜けが減ります。

照明・情報・電源

  • 目的:夜間の安全確保と、避難情報・安否確認の手段を保つこと
  • 数量の決め方:照明や電源の必要台数について、全国一律の公的な目安は確認できませんでした。IPIC SONAE編集部の目安は、携帯照明を1人1台+部屋ごとに1台、モバイルバッテリーはスマートフォン1台あたりフル充電3回分です。後者は、停電が3日続き1日1回充電する想定からの試算です
  • 保管と更新:乾電池はサイズごとに必要数を確認します。ラジオは、スマートフォンが使えなくなった場合の別経路として備えます

常備薬・個別の必需品

  • 目的:その人にしか必要性が分からず、市販のセットでは代替できない備え
  • 数量の決め方:常用薬、お薬手帳の情報、眼鏡・コンタクト用品、補聴器の電源、乳幼児のミルク・おむつ、アレルギー対応食品、介護・生理用品など。使っている量から逆算します
  • 保管と更新:持病がある場合、持ち出す量や保管方法は自己判断で決めず、医師や薬剤師に相談してください

家庭の人数別・日数別 算定表

必要量は、次の式で求められます。品目ごとの原単位に、人数と日数を掛けるだけです。

必要量 = 1人1日あたりの原単位 × 人数 × 日数

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

品目(原単位) 1人3日 1人7日 2人7日 3人7日 4人7日
飲料水(3L/日) 9L 21L 42L 63L 84L
2Lペットボトル換算 5本 11本 21本 32本 42本
食事(3食/日) 9食 21食 42食 63食 84食
非常用トイレ(5回/日) 15回分 35回分 70回分 105回分 140回分
カセットボンベ(6本/週) 3本 6本 12本 18本 24本

算定例|大人2名+小学生1名の場合

以下は説明のための仮定です。実際の必要量はご家庭の状況で変わります。

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

品目 計算 7日分 この家庭での調整
飲料水 3L×3人×7日 63L 子どもも一律3Lで計算し、不足側に振れないようにする
食事 3食×3人×7日 63食 食数は大人と同じ3食で確保し、1食の量と食べやすさで調整する
非常用トイレ 5回×3人×7日 105回分 夜間に使う場所と、使用後の一時保管場所を決めておく
カセットボンベ 6本×3人 18本 保管スペースの制約が大きい。まず9本+加熱不要の食品で補う段階導入も可
トイレットペーパー 約1ロール×3人(7日間の消費目安) 約3ロール 1か月分の常備目標は約12ロール。普段使いと兼ねる
個別必需品 使用量から逆算 — 子どものアレルギー対応食、常用薬。成長に合わせて年1回見直す

食品セットの「◯日分」表示は人数の前提を確認してください
市販の非常食セットに書かれた日数は、多くが1人分を前提にしています。家族の人数で割ると必要日数に届かないことがあります。購入前に、何人分として何食入っているかを確認してください。

不足しやすい備蓄品と個別の事情

水と食料は意識されやすい一方、次の品目は後回しになりがちです。

  • 生活用水トイレ・手洗い・清掃用。飲料水とは別枠。ポリタンクや浴槽の残し湯で確保
  • 使用後のごみ収集が止まると、衛生用品や便袋がたまる。厚手のごみ袋と一時保管場所
  • 現金停電でキャッシュレス決済が使えない場面。小額紙幣と小銭
  • 情報の控え連絡先、保険証券、ハザードマップ。紙でも持つ
  • 防寒・暑さ対策空調が止まる。毛布・保温シート・カイロ・冷却用品
  • 足元の保護割れたガラスや瓦礫。室内でも履ける靴

家族の構成で変わる備え

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

対象 追加で検討したいもの 注意点
乳幼児 液体ミルク、調乳用の水、哺乳用品、おむつ、おしりふき、月齢に合った食品 成長で必要なものが変わる。3〜6か月ごとに見直す
高齢者・要介護 常用薬、やわらかい食品、介護用品、夜間の移動を助ける照明 排泄回数や介助の有無で必要数が変わる
食物アレルギー 対応食品、原材料表示を確認したうえでの備蓄 配給や支援物資で対応食が得られるとは限らない
持病がある方 常用薬、医療機器の電源、医療情報の控え 必要量・保管方法は医師や薬剤師に相談する
ペット フード、水、トイレ用品、ケージ 人の備蓄とは別枠で数える

そろえる優先順位と予算別の進め方

一度に全部そろえる必要はありません。ただし、順番には理由があります。

  1. 命と衛生を維持するもの飲料水、最低3日分の食料、非常用トイレ、衛生用品、照明、情報・電源。いずれも初期段階から並行して確保します。
  2. 食事を続けるものまず3日分の食事を水・トイレと並行して確保します。そのまま食べられる主食と主菜・副菜を組み合わせ、7日分へ増やします。熱源が使えない場合にも備えます。
  3. 生活の質と運用防寒・暑さ対策、調理器具、ポリタンク、分散配置、備蓄台帳。長期化したときに効いてきます。

個別必需品は優先順位を下げません
常用薬、乳幼児用品、アレルギー対応食品、介護用品は、段階に関係なく①と同時にそろえる対象です。該当する方にとっては、水や照明と同じく代替のきかない備えです。

予算に余裕がないときの段階導入

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

段階 目標 そろえる内容(4人家族の例)
STEP 1 3日分の命綱 飲料水36L(2L×18本)/食料36食(加熱不要の主食・主菜・副菜を組み合わせる)/非常用トイレ60回分/携帯照明4台と乾電池/常用薬・個別必需品/厚手のごみ袋
STEP 2 7日分へ延長 飲料水を84Lへ/食料を84食へ/トイレを140回分へ/トイレットペーパー約4ロール(7日間の消費目安)、常備目標16ロール(約1か月分)
STEP 3 質と運用 食事の栄養バランスと食べやすさの見直し/カセットコンロとボンベ/衛生・防寒用品/分散配置と備蓄台帳の作成

ローリングストックを使えば、STEP 2以降の食品は普段の買い物の延長で積み増せます。防災のために特別な食品をそろえ直すのではなく、普段食べているものを少し多めに買うところから始められます。

保管場所と期限の管理

どこに置くか

  • 分散して置く:1か所にまとめると、家具の転倒や浸水で取り出せなくなることがあります。水やトイレは、使う場所の近くにも分けて置きます
  • 停電・断水時に取り出せるか:夜間に照明なしでたどり着けるか、扉が開かなくなる可能性がないかを確認します
  • 通路を塞がない:避難動線に積み上げると、いざというときに移動の妨げになります

期限をどう回すか

食品の賞味期限と、防災用品の交換目安は別のものです。同じ「期限」として一括管理すると、どちらかが漏れます。

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

対象 管理の軸 運用
日常食品 賞味期限 ローリングストック。古いものから消費し、その分を買い足す
長期保存食・保存水 賞味期限 先入れ先出し。期限の1年前を入れ替え検討の目安にする
非常用トイレ・凝固剤 製品の保存期間 製品表示を確認。外装の破れや保管環境もあわせて点検
カセットボンベ・コンロ 使用期限の目安 ボンベ約7年、コンロ約10年。高温になる場所を避ける
ヘルメット等の防災用品 交換目安 賞味期限ではなく経年劣化で判断。詳しくは防災ヘルメットの耐用年数

IPIC SONAE編集部の目安点検は年2回。防災の日(9月1日)と年末の大掃除にあわせると、生活のリズムに組み込みやすくなります。点検した日と次回の予定日を、備蓄の箱か台帳に書いておきます。

家庭用 備蓄チェックリスト(印刷用)

必要数の欄には、前章の算定表で出した数を記入します。保有数を数え、差を不足数に書けば、次に何をいくつ買えばよいかがそのまま残ります。

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。印刷すると、目次とご案内を除いた形で出力されます。

品目 必要数(式) 保有数 不足数 期限/確認日
飲料水 3L×__人×__日=
生活用水(ポリタンク等) 容器__個
主食 3食×__人×__日=
主菜(缶詰・レトルト) 1日1食分×__人×__日
副菜・果物(乾物・ジュース等) 1日1品×__人×__日
カセットコンロ/ボンベ 本体1台/6本×__人
非常用トイレ 5回×__人×__日=
トイレットペーパー 約1ロール×__人(7日)/約4ロール×__人(1か月常備)
衛生用品(ウェット類・手袋・ごみ袋) __日分
携帯照明 1台×__人+部屋数__
乾電池 サイズ別に__本
モバイルバッテリー フル充電3回分×__台
ラジオ 1台
常用薬・お薬手帳の控え __日分
乳幼児用品(該当者) __日分
アレルギー対応食品(該当者) __食
介護・生理用品(該当者) __日分
防寒・暑さ対策(毛布・カイロ等) 1人__点
室内で履ける靴 1足×__人
現金(小額紙幣・小銭) __円
ペット用品(該当者) __日分

ご家庭の不足分から、少しずつ備える

チェックリストで出た不足数をもとに、必要なものから確認できます。在宅避難を想定した用品をまとめたカテゴリーをご用意しています。

企業の備蓄品リストと数量の決め方

企業の備蓄は、家庭の基準をそのまま人数分に掛けるものではありません。誰を対象に、何日分、どこに置くかを先に決める必要があります。

対象人数の決め方

公的情報対象となる従業員は、雇用形態(正規・非正規)を問わず事業所内で勤務する全従業員とされています。加えて、共助の観点から、来社中の顧客・取引先など外部の帰宅困難者のために10%程度の量を余分に備蓄することも検討対象として挙げられています。

備蓄計画の例 = 対象従業員数に基づく基本備蓄 + 来訪者・外部帰宅困難者向けの追加備蓄従業員の対象範囲は所在地の制度・ガイドラインに従って決定。来訪者と外部帰宅困難者向けの約10%は追加備蓄の検討例であり、全国共通の一律計算式ではありません。二重計上に注意してください

3日分の備蓄量の目安

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

品目 1人あたり3日分 位置づけ
水 1日3L・計9L 公的情報ガイドラインに明記
主食 1日3食・計9食 公的情報アルファ化米、クラッカー、乾パン、カップ麺など
毛布 1枚 公的情報保温シートでも可
簡易トイレ・衛生用品 物資ごとに算定 ガイドラインは必要性が高い品目として例示。数量は自社で算定する
敷物・携帯ラジオ・懐中電灯・乾電池・救急医療薬品 物資ごとに算定 同上

非常用発電機と燃料、工具類、調理器具、副食(缶詰等)、ヘルメット、軍手、自転車、地図なども、事業継続の要素を加味して検討することが望ましいとされています。なお、備蓄品が避難通路を塞いだり、スプリンクラーの放水ヘッドを塞いだりして消防法令等の違反状態とならないよう、保管場所の確認が必要です。

算定例|最大同時在館80名+来訪者10名、3日想定

以下は編集部による説明用の仮定です。対象従業員80名と来訪者10名の90名分を基本に、追加の共助備蓄を9名分と仮置きした例です。10%はこの例では90名を基数として計算していますが、公的な一律の算定式ではありません。従業員の対象範囲は所在地の制度・ガイドラインに照らして決めてください。

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

品目 計算 対象90名 共助込99名
水 9L×人数 810L 891L
2Lペットボトル換算 必要L÷2 405本 446本
主食 9食×人数 810食 891食
毛布・保温シート 1枚×人数 90枚 99枚
簡易トイレ 5回×人数×3日 1,350回分 1,485回分
トイレットペーパー 1ロール×人数(編集部の目安) 90ロール 99ロール

IPIC SONAE編集部の目安トイレットペーパーの3日分は、1人1か月約4ロールから単純換算すると約0.4ロールです。ただし職場では共用で消費が読みにくいため、編集部の保守的な備蓄例として1人1ロールを採用しています。3日間の消費見込みそのものではなく、事業所の運用に合わせて調整してください。簡易トイレの1日5回は、成人の平均排泄回数に基づく算定です。

職場の災害対応用品と、法定の保護具は別物です
労働安全衛生法令に基づいて備える保護具と、災害時の施設内待機のための備蓄は、目的も管理も異なります。既存の保護具があることをもって備蓄が足りていると判断しないでください。

買うだけでは機能しません

  • 保管場所の分散:高層ビルではエレベーター停止に備え、保管場所を分けます。複数拠点の企業は、全社合計ではなく拠点単位で最低必要数を確保します(詳しくは複数拠点の備蓄)
  • 管理担当と配布計画:誰が、どのタイミングで、どこから配るかを事前に決めます
  • 訓練での検証:備蓄品の配布と使用を訓練に組み込みます(企業の防災訓練)
  • 台帳と棚卸し:品目・数量・保管場所・管理担当・期限を一覧で管理します
  • ヘルメットの数量とサイズ:頭部保護具の算定は別の考え方になります(法人向け防災ヘルメットの選び方)

必要数量と品目を整理したい法人のご担当者へ

在館人数や施設の条件をお伝えいただければ、備蓄品目と必要数量の考え方についてご相談いただけます。

企業用 備蓄チェックリスト(印刷用)

対象人数と日数を先に確定させ、品目ごとに保管場所と管理担当まで記入します。

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

品目 対象人数/数量 保管場所 管理担当 期限/確認日
水 9L×__名=
主食 9食×__名=
副食(缶詰等) __食
毛布・保温シート 1枚×__名=
簡易トイレ 5回×__名×__日=
トイレットペーパー 1ロール×__名=
衛生用品(手袋・ウェット・ごみ袋) __日分
敷物(ビニールシート等) __枚
懐中電灯・乾電池 __台/__本
携帯ラジオ __台
救急医療薬品類 __セット
ヘルメット __個(サイズ別)
軍手・工具類 __組
非常用発電機・燃料 __台/__L
来訪者・共助分(約10%) __名分
安否確認手段 手段__種類
施設安全点検チェックリスト 1式

IPIC SONAEで備える

備蓄は、リストを作った時点では完成しません。不足数が分かったところから、少しずつ実物に替えていきます。IPIC SONAEでは、在宅避難と施設内待機の両方で使う用品を取り扱っています。

非常用簡易トイレ「トイレのミカタ」

便袋と凝固剤を使うタイプで、60回分と120回分があります。120回分には排泄袋120枚と処理袋12枚、60回分には排泄袋60枚と処理袋6枚が含まれます。4人家族の7日分(140回分)には、120回分と60回分の組み合わせなどで到達します。セット内容と現在の販売状況は商品ページでご確認ください。

非常食 アルファ米・リゾット・おこげ 26種 8日分

アルファ米、リゾット、おこげ、長期保存レトルトを組み合わせた26食入りのセットです。1日3食で換算すると1人あたり約8日分にあたります。家族で備える場合は人数分の計算が必要です。賞味期限は製造から5年または7年(品目による)。種類が分かれているため、同じ味が続きにくいのが長期化への備えとして働きます。セット内容を見る

そのほかの関連用品

飲料水は、量がある品目のため、普段の買い物やまとめ買いと組み合わせるのが現実的です。保存水にこだわらず、普段飲んでいるミネラルウォーターをローリングストックで回す方法もあります。

まとまった数量が必要な法人・団体のお客様へ

必要数量をもとに、お見積もりをご依頼いただけます。品目・数量・納品先をお知らせください。

よくある質問

Q. 防災の備蓄は、何を何日分そろえればいいですか?

大人1人あたり、7日分で飲料水21L・食事21食・非常用トイレ35回分・トイレットペーパー約1ロール(常備目標は約4ロール)・カセットボンベ6本が、IPIC SONAE編集部の目安です。まず3日分(水9L・9食・トイレ15回分)を確実にそろえ、そこから7日分へ延ばしてください。農林水産省は最低3日分から1週間分の家庭備蓄を望ましいとしています。

Q. 何から買えばいいですか?

飲料水、非常用トイレ、携帯照明、そして常用薬などの個別必需品です。この4つは代替手段が乏しく、不足したときに我慢で先送りできません。食料も同時に最低3日分を確保し、そのまま食べられるものを含めてください。停電で加熱できない状況にも備えられます。

Q. 水とトイレの必要量はどう計算しますか?

水は「3L × 人数 × 日数」、トイレは「5回 × 人数 × 日数」です。4人家族の7日分なら、水84L(2Lペットボトル42本)、トイレ140回分になります。水の3Lは飲料と調理用の合計で、トイレを流す水や手洗いの生活用水は含みません。トイレ回数の詳しい考え方は非常用トイレ完全ガイドをご覧ください。

Q. 防災リュックとは何が違いますか?

防災リュックは避難の初動で持ち出すもの、備蓄は自宅や職場で生活を続けるためのものです。量の決め方が異なり、リュックは安全に背負える重さから逆算し、備蓄は人数×日数で計算します。両方を同じ場所に混ぜると、どちらの量も決まらなくなります。詳しくは防災リュック完全ガイドで整理しています。

Q. 企業に備蓄の法的な義務はありますか? 来訪者の分も必要ですか?

全国一律の法定義務ではありません。東京都では東京都帰宅困難者対策条例により、従業者の一斉帰宅抑制と3日分の備蓄が事業者の努力義務とされています。国のガイドラインでは、対象は雇用形態を問わず事業所内で勤務する全従業員とされ、来社中の顧客・取引先など外部の帰宅困難者のために10%程度を余分に備蓄することも検討対象として挙げられています。所在地の自治体の制度を確認してください。

Q. 備蓄スペースが狭い場合はどうすればいいですか?

1か所にまとめず、分散して置くことを前提にすると選択肢が増えます。水は使う場所の近くに数本ずつ、トイレ用品は洗面所やトイレの収納に、食品は普段の食品棚にローリングストックで。保管場所を分けることは、家具の転倒や浸水で取り出せなくなるリスクを下げることにもつながります。

Q. 賞味期限の管理はどうすればいいですか?

日常食品はローリングストック、長期保存食は先入れ先出しで、期限の1年前を入れ替え検討の目安にします。点検は年2回、防災の日(9月1日)と年末の大掃除にあわせると続けやすくなります。なお、食品の賞味期限と、ヘルメットなど防災用品の交換目安は別の基準です。一括管理せず、それぞれの軸で見てください。

まとめ

備蓄の数量は、原単位に人数と日数を掛ければ求められます。大人1人の7日分なら、水21L・食事21食・トイレ35回分。4人家族なら水84L・84食・140回分です。企業は所在地の制度・ガイドラインに沿って対象従業員と3日分などの備蓄日数を決め、来訪者や外部帰宅困難者向けの追加分を別に検討します。

そろえる順番にも理由があります。水・トイレ・照明・個別必需品は、不足したときに我慢で先送りできません。食事も初期段階から3日分を用意し、主食だけでなく主菜・副菜も組み合わせます。加熱不要の食品を含め、7日分へ増やしてください。

そして、買った時点では備蓄は完成していません。どこに置くか、誰が知っているか、いつ点検するか。そこまで決めて、ようやく災害時に使える形になります。

まずは、ご家庭か職場にある水とトイレの数を数えてみてください。必要数との差が、次に用意するものです。防災を、『じぶんゴト』に。

AUTHOR / SUPERVISOR

執筆・監修|防災士 山根

アイピック株式会社所属。2024年に防災士資格を取得。IPIC SONAEの製品開発に携わり、商品開発で得た実務的な知見と防災士としての知識をもとに、防災情報を執筆・監修しています。

防災士 山根のプロフィールを見る

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