非常用トイレは100均でも十分?市販品との違いを比較

非常用トイレは100均でも十分かを比較。100均と市販品の1回あたりのコストや保存期間、性能の違いが分かる比較画像

「非常用トイレは100均でも十分では?」——防災用品を見直すとき、多くの方が一度は考えることだと思います。

結論からお伝えすると、100均の非常用トイレにも確かなメリットがあります。少量から試せて、車やアウトドアに置いておくには便利な選択肢です。ただし「災害への備蓄」という目的で見ると、比較すべきポイントは価格だけではありません。しかも回数あたりで計算すると、市販品のほうが1回あたりは安くなるケースもあります。この記事では、100均と市販品を客観的に比較し、ご家庭に合った選び方を整理します。

100均でも非常用トイレは購入できる

まず前提として、100円ショップでも非常用トイレ(携帯トイレ・簡易トイレ)は購入できます。ダイソー、セリア、キャンドゥなど、主要な100円ショップの防災コーナーで取り扱いを見かけることがあります。

商品はおおむね、便器にかぶせる排泄袋と凝固剤がセットになったタイプです。価格は110円(税込)のものから、複数回分をまとめた330円前後のものまで、商品によって幅があります。

ただし、在庫は店舗によって異なる

注意しておきたいのが、取り扱い状況です。防災用品は店舗の規模や時期によって品揃えが変わるため、近くの店舗に必ず置いてあるとは限りません

さらに、地震や台風の直後は防災用品の需要が一気に高まり、店頭から在庫がなくなることがあります。「必要になってから買いに行く」という前提では、いざというときに手に入らない可能性がある点は押さえておきたいところです。

災害備蓄は「買える時に、必要な量を、まとめて確保しておく」ことが基本です。備蓄そのものの考え方は非常用トイレの完全ガイドで詳しく解説しています。

まず結論|100均と市販品は用途が違う

100均と市販品は、どちらが優れているかという関係ではありません。想定している使い方そのものが違います

ひとことで整理すると、100均は「試す・持ち歩く」ため、市販品は「備蓄する」ための商品です。まずはこの構図を押さえてください。

比較項目 100均の非常用トイレ 市販の備蓄用トイレ
主な用途 お試し・携帯・予備 家庭・法人の災害備蓄
備蓄向き 補助的 ◎ 備蓄を前提に設計
1パックの回数 1〜3回分程度が中心(商品による) 60回分・120回分などのセット
保存期間 商品により異なる 10〜15年など長期保存に対応した商品が多い
家族での利用 個数をそろえる必要がある 1箱で家族分をカバーしやすい
法人・団体利用 数量確保が難しい まとまった数量を確保しやすい
おすすめ用途 車載・アウトドア・旅行・お試し 自宅・マンション・企業・自治会の備蓄

つまり、100均で買った1〜2個をカバンや車に入れておくのは、とても合理的な使い方です。一方で、家族全員分・数日分をまかなうとなると、話が変わってきます。

100均非常用トイレと市販品を徹底比較

もう少し具体的に、性能面まで含めて比較します。ここで最も注目していただきたいのは、価格そのものではなく「1回あたりの価格」です。

比較項目 100均の非常用トイレ 市販の備蓄用トイレ(例:トイレのミカタ 120回分)
販売価格 110円〜330円程度 7,980円(税込)
1回あたり価格 約110円/回(1回分110円の商品の場合) 約66円/回
凝固性能 商品により異なる 高分子吸水ポリマー配合の凝固剤7g
消臭性能 限定的な場合がある(商品による) 消臭機能あり
抗菌性能 記載のない商品もある 抗菌機能あり
排泄袋 サイズ・厚みは商品による 約650×500mm・120枚
処理袋 付属しない商品もある 約650×800mm・12枚付属
保存期間 商品により異なる 15年保存
家族利用 必要数の買い足しが前提 1箱で複数人・複数日に対応
法人備蓄 数量確保が難しい 企業・団体の備蓄にも対応

※価格は販売価格をもとにした概算であり、変動する場合があります。100均商品の仕様は店舗・商品によって異なるため、実際のパッケージ表示をご確認ください。

100均非常用トイレのメリット

ここまで読むと市販品を勧める記事に見えるかもしれませんが、100均には100均にしかない強みがあります。

  • 手軽に買える:思い立ったその日に、近所の店舗で購入できます
  • 少量から試せる:「使い方が分からない」という不安を、110円で解消できます
  • 失敗しても損失が小さい:合わなければ別の商品を試せます
  • 車載に便利:渋滞や車中泊など、避難以外の場面でも役立ちます
  • アウトドア・旅行に:登山やキャンプなど、トイレが遠い場面の予備として

特に価値が高いのが「一度使ってみる」ための1個です。非常用トイレは、いざというときに初めて使うと戸惑いやすい防災用品のひとつ。事前に一度試しておくと、家族に説明することもできます。使い方の手順は非常用トイレの正しい使い方でも解説しています。

100均非常用トイレのデメリット

一方、災害備蓄という目的で見ると、いくつか確認しておきたい点があります。断定ではなく「商品による」ものが多いため、購入時にパッケージ表示を見る習慣をつけてください。

1. 1パックあたりの回数が少ない

1〜3回分程度の商品が中心です。家族4人・3日分となると、必要回数は60回。個数をそろえる作業そのものが負担になります。

2. 人数分そろえると結果的に高くなる

1回あたりの単価が高いため、必要回数が増えるほど総額の差が開きます。この点は次の章で具体的に計算します。

3. 保存期間は商品によって異なる

長期保存を前提に設計されていない商品もあります。備蓄する場合は、パッケージの保存期間表示を必ず確認し、期限管理が必要かどうかを把握しておきましょう。詳しくは非常用トイレの保存期間をご覧ください。

4. 消臭性能は限定的な場合がある

数回の使用なら問題になりにくいものの、断水が続くと使用済みの袋を自宅で保管することになります。臭い対策の重要性は非常用トイレの臭い対策で詳しく解説しています。

5. 排泄袋・処理袋の仕様が商品により異なる

袋の厚みやサイズ、処理袋の有無は商品によってさまざまです。使用後の袋をまとめて保管する処理袋が付属していない場合は、別途用意しておくと安心です。

否定ではなく、用途の違いとして考える
100均の商品が「使えない」ということではありません。短期・少量の用途では十分に役立ちます。あくまで「家族全員分を数日間支える備蓄」として見たときに、確認すべき点があるということです。

実は市販品のほうが1回あたりは安い

この記事で最もお伝えしたいのが、この点です。備蓄では「1個いくら」ではなく「1回あたりいくら」で考えると、判断が一気に分かりやすくなります。

商品 販売価格 回数 1回あたり価格
100均の非常用トイレ(1回分タイプ) 110円(税込) 1回分 約110円/回
トイレのミカタ 120回分 7,980円(税込) 120回分 約66円/回

※価格は販売価格をもとにした概算であり、変動する場合があります。

1回あたりの差は約44円。数回なら誤差の範囲ですが、備蓄では回数が積み上がります。同じおよそ8,000円を防災費用にあてた場合、100均なら約70回分、市販品なら120回分。同じ予算で備えられる回数が、およそ50回分変わります

そのうえで、保存期間15年、消臭・抗菌機能、処理袋の付属といった仕様まで含めて考えると、備蓄用途でのコストパフォーマンスは市販品に分があると言えます。

家族4人で備蓄するとどうなる?

実際の必要量で計算してみましょう。経済産業省は、災害時用トイレの備蓄として1人あたり35回分(7日分)を推奨しています。1日あたりの排泄回数を5回として計算する考え方です。

必要回数の計算式
1日5回 × 家族の人数 × 想定日数 = 必要回数
例:4人家族・3日分 → 5 × 4 × 3 = 60回分
例:4人家族・7日分 → 5 × 4 × 7 = 140回分

想定 必要回数 100均でそろえる場合 トイレのミカタ 120回分
4人家族・最低3日分 60回分 60個の購入が必要(約6,600円) 1箱で対応可能(7,980円/残り60回分は7日分の備えへ)
4人家族・7日分 140回分 140個の購入が必要(約15,400円) 2箱で240回分をカバー(15,960円)

※価格は販売価格をもとにした概算であり、変動する場合があります。

注目していただきたいのは、金額よりも「60個・140個を買いそろえる」という現実です。1回分の商品を必要数だけ集めるには、複数店舗をまわる必要が出てくることもあります。保管する際もかさばりやすく、在庫数の把握も難しくなります。

備蓄では、価格・性能に加えて「必要な回数をまとめて確保できるか」が実用性を大きく左右します。マンションでの備え方はマンションの断水時トイレ対策もあわせてご覧ください。

長期備蓄なら市販品がおすすめな理由

備蓄用の非常用トイレは、「10年以上、押し入れに置いたままにする」ことを前提に設計されています。ここが100均商品との最も大きな設計思想の違いです。

15年保存で、買い替えの手間が少ない

IPIC SONAEの「トイレのミカタ」は15年保存に対応しています。一度備えれば、頻繁な入れ替えを気にせず保管できます。防災用品は「買ったあとの管理」が続かないことが多いため、長期保存は実務的な価値があります。

消臭・抗菌に対応している

凝固剤には高分子吸水ポリマーを採用し、消臭・抗菌に対応しています。使用済みの袋は、ごみ収集が再開するまで自宅で保管することになるため、この点は在宅避難で効いてきます。

袋のサイズと品質が備蓄前提

排泄袋は約650×500mm、処理袋は約650×800mm。使用後の袋をまとめて処理袋に入れる運用まで想定した設計です。処理の手順は使用後の非常用トイレの捨て方で解説しています。

家庭・マンション・企業のいずれにも対応しやすい

60回分・120回分といったセット単位のため、家族構成や従業員数に合わせて必要数を計算しやすくなります。自治会や企業のように人数が多い場合ほど、この差は大きくなります。

こんな人には100均・こんな人には市販品

最後に、選び方を整理します。どちらか一方ではなく、「備蓄は市販品、携帯用は100均」と併用するのが現実的な組み合わせです。

おすすめ 100均の非常用トイレ 市販の備蓄用トイレ
目的 まず試したい・持ち歩きたい 家族と生活を守る備えをしたい
使うシーン 旅行・アウトドア・車載・渋滞 自宅・在宅避難・断水・停電
向いている方 単身・お試し中の方・予備を持ちたい方 家庭・マンション・自治会・企業・防災倉庫
数量の考え方 1〜数個 1人35回分(7日分)を人数分

種類ごとの違いをもう少し知りたい方は非常用トイレの種類、選び方の基準は非常用トイレの選び方が参考になります。

今日からできる備え

比較の知識だけでは、備えは進みません。今日のうちにできることを4つに絞りました。

  • 家にある非常用トイレの「回数」を数える:個数ではなく回数で把握します
  • 必要回数を計算する:1日5回 × 人数 × 日数。まずは3日分から
  • 不足分をメモする:足りない回数が分かれば、買うべき量が決まります
  • 保管場所を家族で共有する:家族の誰もが取り出せる場所に置きます

断水が起きたときの初動については地震でトイレが使えないときの対処法、備えがない場合のリスクは非常用トイレを備えていないとどうなるかで解説しています。

ご家庭に合った備蓄量を確認したい方へ

IPIC SONAEの非常用簡易トイレ「トイレのミカタ」は、15年保存・120回分のセット。消臭・抗菌に対応した凝固剤と、処理袋までを備蓄前提で設計しています。1回あたり約66円(販売価格ベースの概算)で、ご家庭にも企業・団体の備蓄にもお使いいただけます。

災害時に、安心して使える備えを。

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よくある質問

Q. 100均の凝固剤でもきちんと固まりますか?

多くの商品は高分子吸水ポリマーを使用しており、水分を吸収して固める仕組みは市販品と同じです。ただし凝固剤の量や凝固スピードは商品によって異なります。実際に一度試してみると、ご自身で判断しやすくなります。

Q. 100均の商品だけで備蓄してもいいですか?

備蓄として成立させるには、必要回数を満たすことが前提になります。4人家族の3日分で60回分、7日分で140回分。この数を100均商品でそろえられるのであれば選択肢になりますが、購入・保管・期限管理の手間を考えると、備蓄用のセット商品のほうが管理しやすいです。

Q. 100均の非常用トイレの保存期間はどれくらいですか?

商品によって異なります。長期保存を前提としていない商品もあるため、パッケージの表示をご確認ください。表示がない場合は、備蓄用ではなく携帯用として使うほうが安心です。

Q. 100均の商品でも臭いは防げますか?

消臭機能をうたう商品もありますが、性能は商品により異なります。数回の使用であれば大きな問題になりにくい一方、断水が数日続くと使用済みの袋を自宅で保管することになるため、消臭・抗菌に対応した商品のほうが負担は少なくなります。

Q. 100均と市販品の一番の違いは何ですか?

「設計している期間」です。100均は短期・少量の使用を想定し、備蓄用の市販品は10年以上の保管と、家族が数日間使い続けることを想定しています。1回あたり価格・保存期間・消臭抗菌・袋の仕様といった差は、すべてこの前提の違いから生まれています。

Q. どれくらい備蓄すればいいですか?

経済産業省は1人あたり35回分(7日分)の備蓄を推奨しています。4人家族なら140回分が目安です。まずは最低3日分(4人家族で60回分)から始め、少しずつ7日分に近づけていく方法もおすすめです。

まとめ

100均と市販品の違いを、最後に整理します。

  • 100均でも非常用トイレは購入できるが、取り扱いは店舗により異なる
  • 100均は「試す・持ち歩く」、市販品は「備蓄する」ための商品
  • 備蓄では価格ではなく1回あたり価格で比較する
  • 1回あたりは、100均が約110円/回、トイレのミカタが約66円/回(販売価格ベースの概算)
  • 4人家族の必要回数は3日分で60回、7日分で140回
  • 保存期間・消臭抗菌・袋の仕様まで含めると、長期備蓄は市販品が向いている
  • 「備蓄は市販品、携帯用は100均」の併用が現実的

防災は、災害が起きてから始めるものではありません。今日、家にある非常用トイレの回数を数えてみること。家族で保管場所を確認してみること。その小さな一歩が、もしもの安心につながります。

IPIC SONAEは、防災を、「じぶんゴト」に。という思想のもと、そんな日々の備えを応援しています。

参考情報

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